米国のNCAC(National Crash Analysis Center)からトヨタカムリ2012モデルが
公開された。前回の公開は、2012年12月、トヨタ ヤリス2010年モデルなので、
約3年ぶりのとなる。 NCACで公開されるデータは、メールアドレス登録などの
手続きなしに、全て無償でダウンロードできる。
メッシュ線を表示すると真っ黒にしか見えない。
平均メッシュ長さ 8mm、約170万要素&節点。
メッシュ線は邪魔だ!
NCACから公開されるモデルは、内装・シートなどはモデル化されていない。
なので、自分でダミーモデルを搭載することはできない。
NCACから公開される車両モデルの共通点は、接触定義は(基本的には)
*CONTACT_AUTOMATIC_SINGLE_SURFACE これ一発で決定されている
ことである。どのパートがどのパートと接触等考えない。極めてシンプルだ。
あれこれ接触ペアを考えて、抜けが出るよりは余程いいと思う。
LSDYNAの接触定義、特に衝突解析においては、以下の一発決めを推奨したい
「CONTACT_AUTOMATIC_SINGLE_SURFACE」
または
「CONTACT_AUTOMATIC_GENERAL」
lsprepostで表示したデータの概要を示す。
他には、応力・ひずみは一切保存しない設定になっているので、自分で計算する
場合、「保存する」にした方がいいだろう。また保存コマ数もそれ程多くないので
迫力あるアニメーションにするには、保存間隔を小さくしたい。
上記をの設定を変更して、XEON E5 を使って実行してみた。
lsdyna 971 R6.1.2 単精度使用、MEMORY=2000M (単精度版上限 )
XEON E5 3.7GHz 6コア使用して、9時間34分で終了。
実行してみて、マススケーリングのかけ方が大きすぎるのが気になった。
①DT=-1.0E-6 接触条件から決定される時間刻みの2倍以上大きい。
②マススケーリングにより、16%も重量が増えてしまっている。
しかし、この状態で実測値とよく一致したというレポートも出されている。
このモデル化&解析作業は委託された大学の学生が寸法採取から行っていると
聞いたことがある。レポートにあるような結果を得るまでには、相当苦労したことと思う。
しかも無料でダウンロードできるので文句はない。
ただ、DTを半分以下に設定して試してみたいな、とは思う。