LSDYNA R7.1.1 線形解析におけるソリッド要素比較 « ACS NEWS

LSDYNA R7.1.1 線形解析におけるソリッド要素比較

2014 年 9 月 18 日 by yo yamgatta

2週間ぶりにLSDYNAの話に戻ってこれた。今回は少し真面目に書こうと思っていくつかテスト計算を行ってみた。LSDYNAの要素には多くの選択肢があり、どれを選んだらいいのか悩ましい。デフォルトはあるのだが、LSDYNAは
「古い入力データを使った場合でも、以前のバージョンと同じ結果になる」
というポリシーがあるため、デフォルトがベストとは限らない。もしかすると最悪かもしれないのだ。

・1997年頃

LSDYNA Ver950で NIKE3DがLSDYNAに統合され、LSDYNA自身で陰解法が使えるようになった。
初めてこのバージョンを入手、先ずは片持ち梁の曲げ問題を解いてみた。上から荷重をかけて、変形を見てみた。
荷重方向に曲がっていたのだ。丁度LSTCに行く直前に気付いたので、ホリキスト社長にこの結果を見せたところ、
「変わった結果だな、、、ロッキングの問題か?」試してないのにリリースしたのか!!!

・2014年

月日は流れ、陰解法は随分と安定してきた。その分要素タイプの数が増えてしまい、どれが良いのか?
LSDYNAは、上記ポリシーを守るべく「要素を改良して置き換える」ことはしない。常に追加あるのみだ。
10年以上前に、随分と時間をかけて行ったベンチマークが、今ではノートPCでさくっとできるようになった。
久々に試してみよう。

モデル:L=1000, B=50, H=100  ヤング率=21,000kg/mm**2  ポアソン比 0.3,
上面に分布荷重 0.02kg/mm**2   先端変位の理論解=1.443mm

要素形状として、HEX08, TETRA04, TETRA10 タイプとしては、それぞれの形状で使用可能なタイプを全部試す。

要素分割は、アスペクト比1.0と0.3(程度)の2パターンを行った。

HEXA08 アスペクト比=1.0

aa_hexa_good

HEX08 アスペクト比=0.3

aa_hexa_poor

TETRA04 & TETRA10 アスペクト比=1.0程度

aa_tetra_good1

TETRA04 & TETRA10 アスペクト比=0.3程度

aa_tetra_poor

形が単純なので、あまり違わないように見えるかもしれないが、かなり違う。

結果の比較

aa-solid-result

線形解析用には、TYPE18が指定されているが、他の要素タイプも使える、使って構わない。
使用できない要素タイプを選んだ場合は、内部で都合の良い要素タイプにリセットされるようだ。
(どれにリセットされたかの情報は出力されない)

以下自分なりのコメント。

・タイプ2はアスペクト比に敏感すぎる。-2の方が良い。
・回転自由度付きのソリッドはイマイチ。 試す必要はないだろう。
・テトラ04は、タイプ10より13の方が安心感がある。
・テトラ10は、タイプ17の方が良い(かもしれない)。
・EFGは粒子法であり、一緒に比較するべきではないかもしれにが、以外に良い。 ただし計算時間は長くなる。
・上記において、16+HG以外は、SECTION, HOURGLASSは全てデフォルトを使用した。
 この組み合わせを変えると、別な結果になるかもしれない。

 

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